「染め替え」にはいろいろな技法があり、一級染色技能士(厚労省所管技能検定)をはじめ、専門スタッフがお客さまのご希望を聞き取り、より最適な染め替えをご提案します。例えば、派手な印象の色や柄を落ち着かせたり、淡い印象に変えたりすることもできます。日焼けによる色落ちや黄変(黄色く変色する)は部分加工で対応できる場合もありますが、範囲が広い場合は染め替えでよみがえらせることが可能です。浸し染め、引き染め、吹雪染め、金彩加工、色挿しなど、さまざまな技術を用いてお客さまのご希望にお応えしていきます。
浸し染め
浸し染は、全体を染める方法です。「派手な柄を全体的に沈めたい」というご要望に適しています。
生地見本をもとに色合いを打ち合わせさせていただきます。
ハギレを試験染もできますので、イメージがよりはっきりすると思います。
写真の着物はじめはブルーの生地でした。これを深緑系の色に変えるため浸し染めをしました。染料で染めることにより派手だった地色の色合いが落ち着きました。
試験染め
着物を解き、各パーツを縫い合わせて一枚の反物の状態に戻します。
作業内容
職人の匠の技によって色を合わせていきます。
染めた生地の色合わせをしているところです。
引き染め
「引き染め」は伸子張りを使用して生地を張り、刷毛で染めていきます。
紬地や色合いによってこちらの技法を使い染めていきます。柄をそのままいかすことも可能です。また、ぼかし染めなどの染め替えには最適な方法です。
写真は引き染めによってピンクの地色から紫の地色にぼかしを入れ染め替えした事例です。
金彩加工も施しておりますが、地色を染め替えるだけでここまで変化します。
扱き染め
「扱き染め」は他の染色法に比べ染料の発色が良く、シミやヤケを隠す力が強いため、変色や黄変のあるお着物でもある程度隠すことができます。
吹雪染め
名前のごとく全体に吹雪のように柄を染めていく技法です。
地色はいかして染めますので全体の仕上がりがイメージしやすいのが特徴です。
お誂え染め
ありとあらゆる場所に対応できる便利アイテムの色無地。
職人の匠の技によってお客様のお好みの色合いに染め上げます。
お誂えの色無地は野口染舗がご提案いたします。
お誂え染めの流れ
生地を選ぶ
お誂え色無地は白生地選びから始まります。
数多くある白生地の中からお客様の用途に合わせて生地をお選びいただきます。(要予約)
染め色を決める
生地が決まりましたら染め上げる色合いを決めていきます。当社で染めた染め見本がございますので鏡で合わせながら色合いを決めていくことが可能です。
染め[1/4]
染めは染料を作るところからはじまります。染料は粉末状になっていて、職人が染め色を見極め色を調合しながら色合いを作り出していきます。
染め[2/4]
温度の管理も重要です。
染め[3/4]
染め時間を調整しながら色合いを作り出していきます。濡れた状態と乾いた状態では色合いが違うので出来上がりの色をイメージしながら染めていきます。
染め[4/4]
一晩乾かした状態で色合いをチェックしていきます。
基本料金・一例
ひとつとして同じ着物の染め替えはないため、完全なフルオーダーとなります。専門スタッフがご希望をヒヤリングしたあと、染め替えの内容をご提案し、見積もりをお出しします。
品 目 | 価 格 |
---|---|
試験染め(一色) | 3,000円(税込3,300円) |
浸し染め | 洗い張り料金+25,000円(税込27,500円)〜 |
※八掛を染められる場合は別途料金がかかります。
※洗い張りで落としきれないシミは別途しみ抜き代がかかります。
※柄伏せや付随加工が必要な場合は別途料金がかかります。
※誂え染めの生地は別途料金になります。