着物に赤ワインをこぼしてしまった場合は早期治療が必要です。

結婚式やパーティーなどでワインをたしなむ場合も多いと思います。そんな時に大切なお着物にワインをこぼしてしまったら…
その対処法としみ抜きの流れそして予防法をまとめてみました。

赤ワインの色素は要注意です。

赤ワインには色素が含まれておりますので、時間の経過とともに除去が困難になってしまいます。
リアル感がでるように実際に赤ワインを生地にこぼしてみます。

すぐにしていただきたい応急処置

こぼれてすぐにしていただきたい応急処置は、ポケットティッシュやハンカチ・手ぬぐいなど乾いた布で上から軽く押さえて移しとします。

擦ることは避けてください。擦るとさらにシミが悪化してしまったり、生地を傷めてしまう可能性があります。
ご自身での応急処置はここまでにしておいてください。

ほとんどの場合、裏地(胴裏)までこのように赤ワインが浸みています。

着用されている場合はわからないと思いますが、このくらいの量の赤ワインでも裏地(胴裏)まで浸みてしまいました。

着物を解いて処置します。

表地と裏地を離して処置をしなければいけないので、着物を一部分解いて処置をします。

まさに、シミ抜きは手術と同じです。

染色補正技能士の腕の見せ所

赤ワインは色素を含んでいますので、水溶性のシミの除去をした後にさらに地色を損なわないように色素を抜いていきます。
ここがとても重要になります。

時間をかけてしまうと地色までも色が抜けすぎてしまいますので、素早い処置が必要になります。

この処置を一つ一つ繰り返しおこなっていきます。

あれだけこぼれた赤ワインのシミが徐々に除去され、きれいになっていきます。

生地を傷めないように素早く、色素を除去していきます。

丸印で囲んだ部分が赤ワインのシミが付いていた部分です。このようにきれいに修復できました。引き続き同じ処置を繰り返していきます。

すべての処置が終わりましたら、解いた部分を縫い合わせます。

赤ワインのシミも除去することが可能です。

赤ワインの種類や着物の生地の状態にもよりますが、このように除去することが可能です。
シミは早期発見・早期治療が肝心です。

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